内容説明
本書はペストの年（一三四八年）の共時態を当時の各地に伝わる年代記を中心に綿密に掘り起こし、再現しながら、同時にペストを契機に生み出されてくる近代精神への兆し、新たなる経済的変動と展開、社会の変革などの通時的な視点をもふくめて浮き彫りにしている。
目次
古代における「ペスト」
中世初期のペスト
ペストの原因、感染経路、症状
中世後期のペスト理論
ペスト養生訓とペスト対処法
一三四八年ごろのヨーロッパ
ペストの起源
東ヨーロッパのペスト
イタリアの黒死病
ヴェネツィアのペスト〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
shiro
1
引用されている豊富な文献が興味深い。中世ヨーロッパ社会はペスト以前から既に危機に瀕していたが、ペストによる混乱がそれを促進させたという。あと誤字脱字がひどいです。2013/01/25
藻
0
資料用に図書館で借りました。各国・各立場からのペストが知れて面白い。医者や聖職者、行政の様子が知れ、参考になりました。ペストが招く恐怖や不安、混乱によって秩序や道徳が崩れていく様は、読んでいて恐ろしかったです。ペスト医師の嘴みたいなマスクの中にはハーブが入っていたんですね！2013/11/21
