評釈「天守物語」―妖怪のコスモロジー

評釈「天守物語」―妖怪のコスモロジー

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  • サイズ B6判/ページ数 258p/高さ 20X14cm
  • 商品コード 9784772000048
  • NDC分類 912.6
  • Cコード C0095

内容説明

鏡花の戯曲「天守物語」を綿密に分析・解釈した意欲的書き下し評論。

目次

序 なぜ妖怪か
1 時不詳、所播州姫路
2 空から秋草を釣る
3 風、稲妻、そして獅子頭
4 富姫の登場
5 妖怪の論理
6 朱の盤坊
7 妖怪亀姫
8 首の話
9 山民の餐
10 狂言小舞
11 鷹
12 卜書の問題
13 図書之助の立場
14 花道の切穴
15 再び図書之助
16 破局にむけて
17 獅子頭の母衣へ
18 二人の富姫
19 千歳百歳
20 大詰
補論 鏡花劇の形成
泉鏡花戯曲一覧
「天守物語」上演一覧
主要参考文献一覧

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

井月 奎(いづき けい)

31
「天守物語」の不思議に納得の糸口をくれる評伝です。鏡花は物語の源泉を多方面から持ち込み組み立てます。この作品は実にいびつで、ありていに言えば荒が目立つのですが、美しさと幽玄さにわずかな揺るぎも感じさせません。それは荒い組み立て方をしている隙間から光が差し込んでいるからであり、この物語を楽しみ味わう者は、その光を愛で、白けて観賞するに値せぬ、と言う者は荒に目を向けるのです。闇のなかで現れる光のモザイクを発見できればこの作品はこの世ならぬ色あいを、虹のごとき色彩を読む者の心の奥に、目の奥に映してくれるのです。2016/06/11

Humbaba

4
鏡花の戯曲である天守物語について分析を行っている本.妖怪と人の恋というものを,どうすればリアリティをもって表現できるのか.妖怪であるため,人と同じ所と違うところの両面がある.それらを上手く表現するためには,公演の技術を高める必要がある.2010/11/10

misui

2
「現世において見棄てられ、切り棄てられ、陵辱された末に幻影化した者たち」、妖怪とはそのような存在であり、現世とつかず離れずの闇の中に棲んでいる。だからこそ現世に対する批評的役割を担うこともでき、自由であると同時に現世に縛られもする。地上と天上を結ぶ「天守」の空間に出会う二人の恋は、光と闇の相克の中で演じられるのだ。2014/03/08

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