感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
marimo
4
★★☆ Webサイト「日本の古本屋」で見つけて購入。散文詩とイラストがリズミカルな調子を伝える。厳密な「不在」によって、彼女の「存在」はむしろはっきりと輪郭をもつ。世界中の空気を少しずつだけ頬で感じたような気持ち。2018/04/11
momo
4
初めて電子版で読みました。イラストレーター阿部真理子さんとのコラボレーションによるヴィジュアルポエトリーです。詩と物語の両方を兼ね備えた作品で、とても不思議な読み心地です。メランコリアとは、調べると鬱病のことです。自分のもとからいなくなったアンナを探す「私」の行動が、最後まで表現されています。もう少しでアンナを探し当てることができそうなところで、彼女はなぜかいなくなってしまうのです。このアンナとは、人なのか?と疑問に思いました。もしかしたら自分の大切にしていた夢や理想のようなものかもしれないと考えました。2015/12/01
角
3
詩でありながら物語。浮遊感、追いかけ続ける旅、イラストに溢れる色彩が軽く酩酊感を醸す。2021/06/26
marimo
2
★★☆ ひさしぶりに詩集(『「メランコリア」とその他の詩』)が出るとの報せを目にして手に取った。詩とイラスト・コラージュの邂逅。アンナを追って世界中を旅する男。彼がいつまでもアンナに追いつけないことに奇妙な安心を覚える。2021/07/13
左脳
2
散文だと池澤夏樹はそこらじゅうへ次々に移動する。大きめのゴシック体と、原色を多用したコラージュやイラストを見ていると、なんだか架空のロード・ムービーへのトリビュート作品みたいに見えてくる。2011/07/14