感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
保山ひャン
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相場るい児さんの人形を豊浦正明さんが写真に撮った。ミュージシャンの原マスミさんの文章が巻末にあり、死を孕む生命の観点から、人形の生命について述べられている。昔から人形は生きている、と比喩的に語られてきたが、現代の科学ではそれが比喩でない領分になってきているのだ。牧村明村さんの「こわれゆくものたち」の詩が時のらせんと、らせんの生命を感じさせ、それらを象徴するように、表紙裏にはアンモナイトのような写真が添えられている。どろんこから生まれた人形は、人工や人造という媒介を経ずに、まさに生まれ、生きている。2021/10/27