出版社内容情報
誰のため何のために美しくなるのか
整形し、メイクし、脱毛し、アンチエイジング治療を受ける。
ヴァーチャル空間やSNSで自分の理想形に加工した自分像を作り出す。
なぜこれほどに「美しくなること」を追求するのか。
現代社会における美容実践を通して、その奥にある社会力学を捉える。
【執筆者紹介】(執筆順)
谷 本 奈 穂[まえがき、第5章]関西大学総合情報学部教授
永 山 理 穂[第1章、第4章]一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程在学中
亀岡菜穂子[第2章]東北大学大学院文学研究科専攻博士後期課程在学中
飯 塚 理 恵[第3章、あとがき]広島大学共創科学基盤センター特任助教
小 池 真 由[コラム1]東京科学大学工学院経営工学系助教
武野優季恵[コラム2]新聞社勤務
小 平 沙 紀[第6章]東京大学大学院情報学環特任研究員
高 山 理 名[コラム3]IT 企業勤務
伊 藤 朱 里[コラム4]東北大学大学院文学研究科博士後期課程在学中
【目次】
Chapter 1 美容実践を考えるためのフェミニズム・ジェンダー論
―美容実践はどのように論じられてきたか―
はじめに
1 フェミニズムの視点―抑圧・規律実践・主体性―
2 新自由主義と美容実践
3 インターセクショナリティ
4 感情と美容実践
おわりに
Chapter 2 ルッキズムが持つ多様性
―私たちはルッキズムという言葉で何を問題にしているのか―
はじめに
1 ルッキズムという語とその議論
2 ルッキズムの定義に関する四つの説
3 四つの説の関係性
おわりに―あいまいな「ルッキズム」―
Chaper 3 アンチエイジングという美容実践
―治療をめぐる論争―
はじめに
1 アンチエイジングという美容実践
2 エンハンスメントとしての美容実践
3 美容実践の医療化と実践的治療概念
4 トランスヒューマニズム
おわりに
Column 1 リアルとバーチャルの境界線―外見と対人関係の未来―
Column 2 美容整形に関するYouTubeの分析
Chapter 4 美容職女性は自らの「美」の実践/提供をいかに捉えるのか
―新自由主義における「美」の規範を補助線として―
はじめに
1 美容職従事者はいかに論じられてきたか
2 新自由主義における美の規範
3 調査対象者と調査概要
4 自らの美容実践に関する語り
5 美容実践の提供に対する解釈
6 美容職従事者の解釈から見えてくるもの
Chapter 5 男性の美容整形
はじめに―身体と社会とジェンダー―
1 美容整形と男性
2 男性の美容整形を探る―分析と考察―
おわりに―美容整形をする男性の動機―
Chapter 6 美しい軍人のつくられ方
―義務兵役と韓国男性の美容実践―
はじめに―韓国男性の美容実践とその影響力―
1 男性美容の現在
2 美しい軍人
3 軍人向け化粧品広告の分析
4 化粧品広告の語られ方
おわりに―美しい軍人のつくられ方―
Column 3 メンズメイクはジェンダーレスなのか―男性化粧の広がりと新しい男らしさ―
Column 4 体毛と脱毛の社会的意味を捉える