出版社内容情報
植民地住民をめぐる「包摂」と「排除」の歴史
本国から遠く離れた植民地において、「オランダ人/ヨーロッパ人」であることの基準とは何であったのか。オランダの植民地における支配の枠組みを丹念にたどり、文化的にも人種的にも異なる植民地住民をめぐる一世紀に及ぶ「包摂」と「排除」の過程を描き出す。
内容説明
植民地住民をめぐる「包摂」と「排除」の歴史。「原住民」と「ヨーロッパ人」を分けるものは何だったのか。植民地住民の法的区分の変遷をたどり、国籍の背後にあるものに迫る。
目次
序章 国籍法と統治法による植民地住民の法的地位
第1章 オランダ国籍法の制定と植民地住民
第2章 植民地統治と住民の法的区分―統治法109条による「ヨーロッパ人」と「原住民」の創出
第3章 東インド婚姻規定と住民の法的地位の移行
第4章 「日本人」は「ヨーロッパ人」か―「日本人法」の成立と「文明」をめぐる議論
第5章 「包摂」と「排除」の新たな展開―1892年国籍法と1910年臣民籍法
第6章 世紀転換期の東インド華人をめぐる状況
第7章 法的住民区分の改正と挫折
終章 インドネシア国籍法の制定―「原住民」から「インドネシア人」へ
著者等紹介
吉田信[ヨシダマコト]
1969年福島県郡山市生まれ。1999年神戸大学大学院法学研究科博士課程後期課程中退。神戸大学法学部講師、福岡女子大学文学部助教授、福岡女子大学国際文理学部准教授を経て、南山大学国際教養学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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