出版社内容情報
人々の言説活動は、いかにして社会を変えてきたか
――孤独・孤立をめぐる歴史を紐解き、言説活動を社会変革につなげるためのヒントを探る
かつて、孤独・孤立は個の解放/確立と結びつけられ、必ずしも問題とはみなされていなかった。しかし今、社会システムが綻びていくなかで、孤独・孤立は多数の人々にとって生存を脅かすリスクとなっている。就職氷河期世代の中高年化で急増する貧困で孤立する人々、孤立したケアで追い詰められる人々……。もはや、「個人の選択の帰結」という段階ではない。問題の根と向き合うには、言説活動の力を社会システムの変革に向けなければならない。本書は、そのためのヒントを言説活動の歴史から探る試みである。
内容説明
人々の言説活動は、いかにして社会を変えてきたか―孤独・孤立をめぐる歴史を紐解き、言説活動を社会変革につなげるためのヒントを探る。かつて、孤独・孤立は個の解放/確立と結びつけられ、必ずしも問題とはみなされていなかった。しかし今、社会システムが綻びていくなかで、孤独・孤立は多数の人々にとって生存を脅かすリスクとなっている。就職氷河期世代の中高年化と急増する貧困で孤立する人々、孤立したケアで追い詰められる人々…。もはや、「個人の選択の帰結」という段階ではない。問題の根と向き合うには、言説活動の力を社会システムの変革に向けなければならない。本書は、そのためのヒントを言説活動の歴史から探る試みである。
目次
第1部 近代化に伴う個の解放と孤独(近代化と近隣組織―隣組・町内会の廃止と復活をめぐって;「団地族」の人間関係―個人主義・家族中心主義と「近隣関係の希薄化」;「都会の孤独」とコミュニティ政策の誕生―「マイホーム主義」から「コミュニティ主義」へ)
第2部 戦後社会システムの歪みと孤独・孤立問題の形成―逸脱する人々をめぐって(ひとり暮らし高齢者の自殺・孤独死と社会的孤立;子殺しと「母親の孤立」;子どもの逸脱行動と孤独・孤立)
第3部 孤独・孤立問題の普及・多様化と「一億総孤独社会」(高齢者の孤独・孤立問題の多様化;児童虐待と「育児の孤立」問題の普及;若者の自立・就労問題と孤独・孤立;中高年者の孤独・孤立と「単身急増社会」)
著者等紹介
梅田直美[ウメダナオミ]
1973年生まれ。大阪府立大学大学院人間社会学研究科博士後期課程修了、博士(人間科学)。専門は社会学、社会福祉。現在、奈良県立大学地域創造学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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