出版社内容情報
共存から「共生」へ
人類史の新たな物語〈ナラティヴ〉は可能か
共生社会は,多文化主義のさらに先へ
多文化主義は民族間の差異を認めそれを尊重する.しかし,その差異を強調しすぎると,民族差別や民族紛争の契機になりうる.多民族の共生社会は,民族間の固有の差異に拘ることなく,民族間の公平な相互作用によって新たなナラティヴを創造する.
内容説明
共生社会は、多文化主義のさらに先へ。多文化主義は民族間の差異を認めそれを尊重する。しかし、その差異を強調しすぎると、民族差別や民族紛争の契機になりうる。多民族の共生社会は、民族間の固有の差異に拘ることなく、民族間の公平な相互作用によって新たなナラティヴを創造する。
目次
第1部 多文化の共生に向けて(日系ブラジル人は日本社会に包摂されているか―子どもたちの教育問題から考える―;コンパドラスゴは何のためか―メキシコ先住民のフィエスタを通じた人間関係―;マブーチェ医療は誰のものか―チリの公的医療で提供される先住民医療)
第2部 多文化主義の推進1―国家との衝突―(メキシコのサパティスタはなぜ武装蜂起したのか―多民族の共生社会に向けて―;なぜアマゾニア先住民は運河開発に反対なのか―多元世界に向けた運動―;先住民世界への軍事介入は正当化されるのか―ペルー・アマゾン環境政策のひずみを考える)
第3部 多文化主義の推進2―生存戦略―(コミュニティ参加型ツーリズムは先住民を救うか―メキシコ先住民クミアイの挑戦―;コスタリカの先住民居住区になぜホテルができたのか―今「先住民ツーリズム」に期待されること―ペルーの日系移民はどのような生存戦略をとってきたのか―沖縄系コミュニティの苦難と連帯)
第4部 同化主義からの決別(なぜブラジルに人種差別が存在するのか―黒人の排除と差別の構造―;ウルグアイ先住民に何が起きたのか―消された歴史と国民アイデンティティ―;米国への移民はなぜ反対されるのか―メキシコ系移民の排除と包摂)
著者等紹介
石黒馨[イシグロカオル]
神戸大学名誉教授。国際政治経済学。グローバル資本主義に対する批判的な研究
福間真央[フクママオ]
関西外国語大学准教授。文化人類学。米墨国境地域に居住する先住民族のトランスナショナルな実践とアイデンティティの形成プロセスを研究
額田有美[ヌカダユミ]
南山大学外国語学部講師(専任)。人類学。コスタリカの先住民族が直面する現状を食文化や法文化を切り口に研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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