出版社内容情報
近代社会の矛盾が噴出したヴィクトリア時代にあって「中世」に理想をもとめた詩人が作品のなかに築いた夢の世界を読み解くことで、「モダン・デザインの父」「革命的社会主義者」「アイスランド・サガ翻訳者」など多才な顔をもつモリスの思想の全貌を照らす。
内容説明
名もなき人々を歌う希望の巡礼者たちを結ぶ夢。「アダムが耕しイヴが紡いだとき、いったいだれがジェントルマンであったのか」―14世紀の革命家の夢と、彼が背負っていた民衆の声を、ウィリアム・モリスは19世紀に語り直した。モリスが描いた「中世」の理想から、過去、未来、そして現在を見つめる。
目次
第一章 「中世」の理想を旅する―中世主義の史的展開
第二章 「中世」の美しさを讃える―初期作品における憧憬
第三章 「中世」の儚さを描く―『地上楽園』における弁明と幻視
第四章 「中世」という希望を紡ぐ―社会主義転向と詩人の「夢」
第五章 「中世」からめざめる―『ジョン・ボールの夢』における「フェローシップ」
第六章 「中世」という未来へ―『ユートピアだより』における「ヴィジョン」
第七章 「中世」をかたどる―大聖堂、書物製作、ロマンス
著者等紹介
清川祥恵[キヨカワサチエ]
神戸大学大学院国際文化学研究科博士課程後期課程修了。博士(学術)。現在、佛教大学文学部講師、神戸大学国際文化学研究推進インスティテュート連携フェロー。専門は英文学、ユートピアニズム(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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