出版社内容情報
本書は、「地域公共圏像」の相克と対話可能性を探る研究である。
第Ⅰ部では、村落二重構造論の歴史を4期に区分して理論的に整理し、その現在的課題に迫る。
第Ⅱ部では、明治初期の第一級の在地史料である『戸長日記』を読み解き、大区小区制下の「村の自治」(地域公共圏)の実像を明らかにした実証研究である。ムラの再評価を行うとともに、ユニークな視点が随所に展開されている。
内容説明
あるべき地域公共圏像を求めて。先学の「知」の到達点を踏まえつつ、第一級の在地史料をもとに明治初期の村落を読み解く。
目次
第1部 村落二重構造論の形成と展開―戦前戦中から2000年まで(村落二重構造論の研究意義;自然村擁護論の展開―戦前戦中期の研究;部落共同体解体論の登場―戦後改革期の研究;転換期における村落二重構造論―60年~70年代の研究;地方改良運動の研究―60年~70年代;村落類型論と村既約論争―60年~70年代;村落二重構造論の多様な展開―80年~90年代の研究;総括と展望)
第2部 大区小区制下の村の自治と内済―岐阜県可児郡久々利村の『戸長日記』(大区小区制と戸長役場;多様な自治事務;村の内済;国政事務の増大と村内の対立;戸長役場総辞職と検見嘆願運動;村の合併と制度設計)
著者等紹介
石川一三夫[イシカワヒサオ]
1944年香川県生まれ。現在、中京大学名誉教授、法学博士。専攻、法制史、法社会史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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