内容説明
インドネシア、マレーシア等の東南アジア諸国では、パーム油原料のアブラヤシを栽培する農園が日本の国土面積の半分以上の規模に広がり、現地の自然や社会を大きく変えている。本書は、アブラヤシ農園拡大の原因と影響を文理両分野のグローバルな視角から解明し、それが引き起す問題を解決する方途を探る。姉妹編の2“ローカル編”と併せて世に問う。
目次
第1部 アブラヤシ・パーム油生産の歴史的経過と農園拡大の論理(パーム油の生産と貿易―統計からみた歴史的発展;ココヤシとアブラヤシ―東南アジアにおけるパーム油生産の拡大;アブラヤシ農園はなぜ拡大してきたか―否定的要素を超えた拡大の論理)
第2部 農園企業の行動とアブラヤシ農園開発―付加価値創造の重層化(インドネシア、マレーシアからのパーム油輸出について―仕向地、精製形態の変化にみるグローバル性;マレーシアの農園企業とパーム油産業の構造変化;インドネシアにおけるアブラヤシ農園企業の発展―2010年までの軌跡)
第3部 アブラヤシ農園拡大のダメージとグローバル社会との相克(インドネシア泥炭地におけるアブラヤシ農園等の開発と大規模火災の時空間的変容;森林と住民生活をどう守るか?―パーム油スタンダードの影響と課題;「正しい」パーム油をめぐる対立の政治―健康、環境、持続可能性という論点から)
第4部 パーム油・パームバイオマスの多様な利用(パーム油・パーム核油の製法と利用;アブラヤシ産業の未利用資源のエネルギー利用;木質バイオマスとしてのアブラヤシ;PKS発電と関連事業の日本での展開―その問題点と解決)
著者等紹介
林田秀樹[ハヤシダヒデキ]
1966年生まれ。神戸商科大学(現兵庫県立大学)大学院経済学研究科博士後期課程中退。現在、同志社大学人文科学研究所准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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