内容説明
かつて「よそ者」は、警戒・忌避される存在であったが、定住社会から移動社会への移行、グローバル化による国境を越えた人口移動により、いまでは、その存在抜きには社会が成り立ちえないほど存在感を増してきている。そもそも「よそ者」とは何者か?そして、「よそ者」への問いから何が見えてくるのか?「よそ者/ストレンジャー」に関する、ジンメルのテキストを基点に、このテーマがどう論じられ展開していったのかを跡付け(第1部)、人びとが「よそ者・ストレンジャーとともに/として」生きる現代社会の様相を考察する(第2部)。誰もがストレンジャーとして共生・共存する社会の構想に向けて多くの示唆を与える一冊。
目次
「よそ者/ストレンジャーの社会学」の問い
第1部 「よそ者の社会学」の系譜(ジンメルのよそ者論―概念規定と問題提起;パークによるジンメル受容と移民研究への適用―ストレンジャー概念への翻訳とその応用;マージナル・マン論の展開―文化的ハイブリッドを読み解く;シュッツのよそ者論)
第2部 「ストレンジャーの社会学」の展開(「ストレンジャーの世界」としての都市社会―ジンメル、ゴフマン、ロフランドの言説から;バウマンのリキッド・モダニティとストレンジャー論―社会秩序の基本原理とストレンジャーの排除;アーリのモビリティ論から見た「ストレンジャーの世界」)
「よそ者/ストレンジャーの社会学」の意義と展開可能性
著者等紹介
徳田剛[トクダツヨシ]
1971年生まれ。神戸大学大学院文化学研究科博士課程単位取得退学。博士(学術)。専門は社会学理論、地域社会学、宗教社会学。現在、大谷大学社会学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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