内容説明
井上毅は、明治新政府の法制官僚として、「国家富強」構想という国家主義政策の立案を中心的に担った一方で、立憲主義に基づく人権思想を有し、実業教育や貧民教育などの教育政策にも尽力している。明治政府の「黒幕」とみなされてきた井上の、人物像に迫る。
目次
序章 井上毅研究の課題と研究史
第1章 明治近代国家構想と教育思想
第2章 井上毅の思想形成
第3章 井上毅の学制改革と教育思想
第4章 井上毅の立憲主義と法治主義
第5章 「国家富強」への公教育と人権教育―教育勅語から実業教育と貧民教育へ
終章 明治近代国家における井上毅の教育思想とその意義―「国家富強」の国権思想と「立憲主義的人権思想」の民権思想
補論 明治新政府の国家構想
著者等紹介
柳田文男[ヤナギダフミオ]
1947年、京都府に生まれる。同志社大学大学院法学研究科(公法学専攻)博士前期課程修了。同志社大学大学院社会学研究科(教育文化学専攻)博士後期課程修了、教育文化学博士。現在、同志社大学人文科学研究所嘱託研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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