内容説明
日本は、激甚な紛争が起こりうる異種文明間の境界に位置しているため、今後の日本人にとって紛争や戦争はもはや他人事ではない。細分化されてきた従来の研究を「広義の軍事史」研究によって「人文学」のなかで新たに綜合する可能性を拓く。
目次
軍事史の立場と本書の構成
第1部 ドイツ篇(軍事と鉄道―普墺戦争までのプロシア陸軍に注目して;軍事と鉄道をめぐる思想的伝播―一九世紀後半のドイツから日本へ;アメリカとドイツにおける陸軍将校教育の比較文化史)
第2部 アメリカ篇(アメリカの太平洋戦略と幕末の日米関係―外交には何が必要か;米軍将校エモリー・アプトンと明治初期の日本―社会と軍隊における近代化の相違;一九世紀アメリカ海軍の教育制度―海軍兵学校の規律重視から海軍大学校の効率重視へ;第一次世界大戦期のアメリカ海軍による対日戦争論―補給に基づく戦略)
第3部 二〇世紀の世界政治篇(二〇世紀の世界における戦争と政治―ナショナリズム、軍縮条約、賠償政治)
現代世界における「広義の軍事史」―政治への提言をめざして
著者等紹介
布施将夫[フセマサオ]
1971年大阪市生まれ。2008年京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程単位取得認定退学。2009年京都大学博士(人間・環境学)。現在、京都外国語大学外国語学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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