内容説明
本書は貧困ガバナンス論という独創的概念を提示し、貧困対策に通底するのは統制・合理化・抵抗の3要素であることを日英の文脈から実証的にフォローする。さらに、統制を乗り越えて、格差なき公正な社会に近づくためには、市民が貧困ガバナンスの構造を理解し、政治的な参加を実践することが求められ、不利な立場にある人々との連帯を強めることが何よりも必要であることを明らかにする。これからの新たな貧困対策のあり方を指し示す。
目次
日本の貧困ガバナンス―共助を志向する子どもの貧困対策
第1部 貧困対策の過去と現在(貧困対策の史的展開;貧困理論の系譜とその理解;世界の貧困とその取り組み)
第2部 貧困とガバナンス論(ガバナンス論の再検討;貧困ガバナンス論)
第3部 貧困ガバナンスの実証的考察―日本と英国(生活保護制度の統制・合理化・抵抗;生活困窮者自立支援制度と統制・合理化・抵抗;「働くための福祉」と統制・合理化・抵抗;困難家族プログラムと統制・合理化・抵抗)
貧困・格差なき社会に向けた貧困ガバナンスの反転
著者等紹介
山本隆[ヤマモトタカシ]
1953年生まれ。岡山大学大学院文化科学研究科博士課程修了(学術博士)。関西学院大学人間福祉学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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