内容説明
初めて明らかになる第一級の書評紙の全貌。カント、ラインホルト、フィヒテ、シェリングはどう書評されたか。「哲学欄」で繰り広げられる激しい論戦の行方を追う。ALZの主要書評一覧とイェーナの哲学部の講義題目一覧を付す。
目次
『一般学芸新聞』創刊前夜
最初期の『一般学芸新聞』哲学欄のカント哲学普及活動(一七八五~八六年)
一八世紀後半のドイツにおける雑誌・学術メディアの隆盛とALZの位置
初期カント学派によるロック主義、ヴォルフ主義との対決(一七八八~九〇年)
カント的道徳の諸原則と実践的自由をめぐる議論の広がり(一七八八~九二年)
「表象能力理論」と哲学の「第一根本命題」をめぐる諸論争(一七八九~九二年)
新たな哲学雑誌の登場(一七八九~九五年)―カント‐ラインホルト関係の理解をめぐって
ザラーナの学生たち―学生数、学生気質と生活、学生団体
フィヒテの初期作品書評(一七九二~九五年)
ザラーナの教授たちニートハンマーの『哲学雑誌』とそのALZ書評(一七九五~九七年)
「自然法」論の降盛と「権利」概念の自立的根拠づけの進展(一七九二~九八年)
フィヒテの『自然法の基礎』(一七九五~九八年)
カントの『人倫の形而上学』第一部「法論の形而上学的定礎」(一七九七~九九年)
ALZ編集部と超越論的観念論および初期ロマン派との対立の先鋭化(一七九九~一八〇〇年)
幕間4 ALZ「哲学欄」の総括的特徴
ALZ最終局面でのラインホルト批判、フィヒテ批判、シェリング批判(一八〇一~〇三年)
著者等紹介
田端信廣[タバタノブヒロ]
1948年三重県伊勢市生まれ。1982年同志社大学文学研究科博士後期課程中退。現在、同志社大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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