内容説明
『鏡』における「意志の滅却」が意味するものとは。1310年のパリにて、聖職者から異端の烙印を押されたにも関わらず、自説を撤回せずその思想を広めようとしたために火刑に処された女性―マルグリット・ポレート。彼女の唯一の著作である『単純な魂の鏡』における意志の滅却を契機とした「魂の完成」について、その思想全体を体系的に明らかにし、意志概念と知性概念の本質に迫る。
目次
第1部 ポレートの身分と異端問題(ポレートと『単純な魂の鏡』;14世紀初頭までのベギン運動;「ベギン」としてのポレート;異端判決引用文に対する解釈)
第2部 意志概念と愛(魂の辿る七つの段階と第五段階における変容;自由意思;意志概念)
第3部 知性認識とその構造(「女性神秘家」における理性と経験;知性と認識;再帰的対自意志)
著者等紹介
村上寛[ムラカミヒロシ]
1981年生まれ。2014年早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了、博士(文学)。現在、日本学術振興会特別研究員PD(東京大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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