内容説明
なぜわれわれには知性が必要とされるのだろうか。芸術・音楽・知性がもたらす生のあり方とは。現代哲学の巨頭アドルノの哲学全体を芸術の観点から再構成し、そこに秘められたユートピアを音楽作品の分析を通じ実証する。アドルノ哲学の新たな展開。
目次
序章 なぜ芸術の哲学なのか
第1章 非同一的なものとしての芸術―アドルノ‐ベンヤミン‐ベートーヴェン
第2章 「崇高」と両義性―アドルノ‐カント‐シェーンベルク
第3章 アドルノの音楽教育理念―非同一的なものへの「耳の開き」
第4章 アドルノ美学の萌芽としての「シューベルト」―アドルノ「シューベルト」論読解
第5章 「瞬断された現在への高まり」としての音楽―E.ブロッホ‐ベルク‐アドルノにおける音楽のユートピア
第6章 G.リゲティとアドルノ美学
終章 世界参与としての音楽―ケージの問題提起とともに
著者等紹介
上野仁[ウエノジン]
1975年熊本県葦北郡生まれ。1994年熊本県立八代高等学校卒業。1998年広島大学教育学部教育学科音楽教育学専修卒業。2001年広島大学大学院社会科学研究科博士課程前期修了。2009年広島大学大学院社会科学研究科博士課程後期修了。博士(学術)。広島大学、広島赤十字看護専門学校、広島市医師会看護専門学校などで非常勤講師を歴任。2012年広島大学大学院総合科学研究科特任講師。2014年広島大学特別研究員(兼任)。広島大学客員講師。専攻は近現代ドイツ哲学、音楽学、美学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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