内容説明
哲学とは何か―この問いに対し、「学問」以上に「藝術」という答えを強調したショーペンハウアー。自らの哲学も藝術であろうとし、これによって人々に慰めを与えようとした。カント、フィヒテ、シェリングらをショーペンハウアーの先蹤者と捉えることによって、学問性を極端に強調されたドイツ観念論に新しい系譜を引く。
目次
第1部 『意志と表象としての世界』の成立(藝術としての哲学―「よりよい意識」からのショーペンハウアー哲学の誕生;フィヒテ『一八一二年の知識学』とショーペンハウアー)
第2部 ショーペンハウアー意志論の整合的理解(『根拠律』第一版(一八一三年)における「意志」概念―観念論的・主観的考察の成果
『意志と表象としての世界』における「意志」概念―類比の成果
後期の「意志」概念―観念論的・主観的考察の深化と実在論的・客観的考察の採用)
第3部 整合的理解を超えて(ショーペンハウアーにおける矛盾の積極的意味―ショーペンハウアーを矛盾なく読むために、そして再び矛盾あるものとして読むために)
結論と新たな問題への展望
ショーペンハウアーのイデー論
著者等紹介
高橋陽一郎[タカハシヨウイチロウ]
1966年生まれ。日本大学大学院哲学専攻博士後期課程満期退学。同大学専任講師、准教授を経て、日本大学文理学部教授。専門は美学、ドイツ観念論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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