内容説明
森鴎外への私淑、和辻哲郎との交友、ハンセン病研究への取り組み、そして弟子の加藤周一への影響などを論じながら、医学と文学の二足の草鞋を履きつつ生涯を旅に過ごした杢太郎の足跡を辿る。木下杢太郎としての海外遊学と、太田正雄としての医学研究を結びつけ、現在混迷を深めつつある教養教育論に一石を投じる画期的教養論。
目次
序章 なぜ今、木下杢太郎/太田正雄なのか
第1章 『五足の靴』から『南蛮寺前』へ―キリシタン文化受容をめぐって
第2章 東洋文化への開眼―和辻哲郎との差異(その一)
第3章 西洋文明への視座―和辻哲郎との差異(その二)
第4章 阿部次郎の教養論の真意
第5章 ハンセン病と木下杢太郎/太田正雄
第6章 唐木順三『鴎外の精神』から見た杢太郎の教養論
第7章 加藤周一の視点から見た東西文化交流史の視点
終章 木下杢太郎/太田正雄から現在何を学ぶか
著者等紹介
菅原潤[スガワラジュン]
1963年仙台市生まれ。1996年東北大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。1998年文学博士(東北大学)。長崎大学環境科学部教授を経て、日本大学工学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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