内容説明
国を持たない民でありながら現代まで生き残ってきたユダヤ教徒。彼らはいかにして危機を乗り越えてきたのか。ユダヤ教徒が取った生き残り戦略を史料に即して解明し、ますます混迷を深める国際社会を生き抜くヒントを探る。
目次
序章 ユダヤ史の捉え方
第1章 イラクを中心としたラビ・ユダヤ教中央集権体制の衰退
第2章 西イスラーム圏におけるユダヤ教共同体の繁栄
第3章 エジプトへのユダヤ教徒の移住
第4章 地中海におけるユダヤ教徒の国際交易ネットワーク
第5章 一二世紀の政治宗教的危機とその克服
終章 「生き残り戦略」とは何だったのか?
著者等紹介
嶋田英晴[シマダヒデハル]
1970年タイ・バンコク生まれ。2010年東京大学大学院人文社会系研究科博士課程満期退学。現在、國學院大學神道文化学部非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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紀元前からの度重なる迫害、離散を経験しながら、ユダヤ教の信仰基盤が固められ、6〜12世紀において制度体制が学術を中心に発展していたことはユダヤ教の性格を考える上で重要な側面ではないかと考えた。同時期にカトリックでは教会を軸として、教義を生活文化に密着し、身体化させることで信仰の基盤を固め、イスラム教はユダヤ教よりも最後の預言者であるムハンマドの言葉を信奉し、内面化させていたのに対し、ユダヤ教は学術形式のため、万人に開かれ、絶えず批判、助言を相互に交信させていた。現代の著名人にもその性格が顕著に現れている。2020/02/22
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