内容説明
色も変る。心も変るときがある。芸術がわかるとはなんと多様な、日々だ!ゴッホの自画像に扮した森村泰昌の作品を見たあとで、元のゴッホの自画像を見ると、思わずゴッホが「森村している」と感じてしまった人がいる。
目次
序 違いのわかる
1 感じ分ける
2 作り分ける・使い分ける・語り分ける
3 別様に
4 差異の王国
5 美への讃嘆
6 形づくる
7 型破る
8 いまかつて間
著者等紹介
篠原資明[シノハラモトアキ]
1950年香川県生まれ。1980年京都大学大学院文学研究科博士課程修了。現在、京都大学大学院人間・環境学研究科教授、美学会会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Bartleby
13
人は物事を分節化できるようになることになぜか喜びを感じる、それって結構不思議なことだなと最近考えていたので、この本を読むにはちょうどいいタイミングだったのだと思う。感じ分ける、使い分ける、作り分ける、語り分ける…といった「差異」の視点からマチスの絵画や河野裕子の歌、グールド、デシャン、森村泰昌など多彩なテーマが語られている。良さがよくわからなかった現代芸術もこの説明のおかげで一つ一つ新鮮なものに感じられて、短い本だけどたっぷり楽しむことができました。2013/10/12
どらがあんこ
10
読書という行為や、またそれに浸る際の時間はやはり量やページに還元できるものではないのだなと。俳句や言語の問題を取り上げてくれているのは嬉しい。2019/03/29
ask@憧れの京都住み
2
芸術とは何か。明確な答えではなくとも、この教授自身の考え方がシンプルであったのかすんなりと頭に入ってくる。芸術とは、日常生活における様々な差異を「感じ分ける」。そういう作業。面白い芸術作品も多数紹介されていて、そちらをメインにしても問題なし。2013/08/04
おすぷれみす
1
うーん。 こういう理論的だけど論理的じゃない本は苦手です。 感性が合えばハマるんでしょうが、今までこういう系の本でハマったことがないです。2017/04/04
Daito Sugimoto
0
「いま」「かつて」が浸透しあうという視点は印象深い。最後の詩が、差異と芸術の関係を端的に伝えていて、それだけ見てもいいのかもしれない。2016/12/17