目次
第1章 大学組織と大学評価―国民的大学評価の視点を
第2章 戦後日本の大学と大学評価
第3章 日本の大学評価制度―政策評価、認証評価を含む多様な評価
第4章 日本の大学評価の現状―訪問調査を踏まえて
第5章 米国における大学評価―自己規制としてのアクレディテーション
第6章 韓国の市民社会と大学評価―韓国訪問調査の分析を中心に
第7章 教育・研究にふさわしいマネジメントへの転換―PDCAサイクルからCDHAコミュニケーションへ
第8章 高等教育学費無償化への道
第9章 ESD(持続可能な開発のための教育)の実践―京都経済短期大学の実践教育
第10章 大学評価文化の醸成と全構成員参加の大学評価に向けて
著者等紹介
細川孝[ホソカワタカシ]
1962年徳島県生まれ。立命館大学大学院経営学研究科博士前期課程修了。現在、龍谷大学経営学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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山がち
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認証評価はどうにも大学にとって良い印象を持たれていないというようなイメージが強い。しかしながら、実際にはそれなりに好意的に受け取られているようである。作業量は膨大でありその負担は大きいながらも、大学の質の改善のためにその重要性は認識されている。ただ、評価の中で生まれた問題点などを改善につなげられないということが大きな問題として残っている。認証評価に限らず、全体的に政府主導、財政主導による自由主義的改革、介入の手段としての評価という側面が見えることもあって、今後も大学評価についてみる必要があると強く感じた。2014/05/10
山がち
0
PDCAサイクルに関する論は読んでいて、今後の大学評価に対する危機感を抱かされた。大学に一律にPDCAサイクルを導入するのを全体主義に見立てるのはやや感情的ではあると思うが、内部質保証体制のためにPDCAサイクルがどれほど機能しているかに基づく評価は、形式的な数値目標を達成することのみを良しとする方向へと働きかけるだけではなく、手段として十分な検討もされていない下位目標の制定によって本来的な目標が見失われてしまう可能性がある。評価の実質合理性を求めるべきだという論は非常に重要なものでありまた頷けるものだ。2014/02/28