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シリーズ・ギリシア哲学講義
ヘレニズム哲学講義・3講

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  • サイズ B6判/ページ数 68,4/高さ 19cm
  • 商品コード 9784771023680
  • NDC分類 131
  • Cコード C3310

内容説明

魂から苦悩を取り去り、平静な心境(アタラクシア)を得るために。コスモポリタンとなって広大無辺な世界に投げ出された人々が必要としたものは、もはや形而上学的な存在思想でも公民的な道徳思想でもなく、もっぱら個人の生き方に指針を与える主観的な実践哲学でしかなかった。形而上学の終結。西洋近代世界のルーツを知る。簡潔かつ平明なギリシア哲学史入門講義。

目次

第1講 ストア派(学派;学説)
第2講 エピクロス派(学派;学説)
第3講 懐疑派(古懐疑派;中アカデメイアにおける懐疑;新懐疑派)

著者等紹介

日下部吉信[クサカベヨシノブ]
1946年京都府に生まれる。1975年立命館大学大学院文学研究科博士課程修了、博士(文学)。1987‐1988年、1996‐1997年ケルン大学トマス研究所客員研究員。2006‐2007年オックスフォード大学オリエル・カレッジ客員研究員。立命館大学文学部助教授、教授を経て、特任教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Gokkey

10
ポリス社会の崩壊により精神的基盤を失った人々が求めたものは、形而上学的原理ではなく生活に寄り添った実践哲学であった。イデアを認めず、質料が因果の連鎖を経て万物を形成する唯物論的な自然哲学を生み出す。このストアの自然観は世界を一つの大きな生き物と捉える。これこそがロゴスであり、これに「一致して生きる」ことこそ善である。これはさらに心の平静「アタラクシア」による幸福を求めるエピクロス派へ。さらにピュロンをはじめとする懐疑派に至っては認識の断念と判断中止(エポケー)によりアタラクシアに至る道を説く。2020/10/04

roughfractus02

3
帝国は都市基盤を崩壊させる。プラトンからアリストテレスへの移行はアレクサンドロスの帝国化による地中海圏の流通と集積の拡大に並行する。この周縁からポリスにも大図書館にも拠らないコスモポリタンの考えが現われる。ストア派、エピクロス派、懐疑派は、認識と存在を結びつけて宇宙を構想する哲学から離れ、いかに生きるかをテーマとした実践哲学に向かう。哲学を自然=存在の学としたハイデガーに共感する著者に主観的と評される彼らだが、その一方で定住者の拡大的権威を懐疑し、混乱の中で倫理的態度で平安を生きる放浪者の哲学を創始した。2017/08/26

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