内容説明
政治経済学的な視点で米中間の貿易摩擦を観れば、米中両国ともに自国の産業発展のために、あるいは特定の業界の不振を緩和するために、個々の産業に関して保護主義に陥る傾向にある。これは、それなりに政治的な支持が存在しているためだ。したがって、現在のように高まる失業率を前に、各国とも保護主義的な政策を指向することは、いずれの政権においても、政治的安定確保の為には当然といえよう。本書では、そのような政策指向は、しばしば貿易摩擦に帰結することを明らかにした。
目次
序章 米中経済摩擦の政治問題化
第1章 米中貿易不均衡と貿易摩擦
第2章 反ダンピング措置と貿易摩擦
第3章 中国の反ダンピング法とその運用実績
第4章 アメリカの対中反ダンピング措置
第5章 米中貿易摩擦の新展開
終章 米中経済摩擦の複雑さとその未来
著者等紹介
陳友駿[チンユウシュン]
1981年中国上海市生まれ。2009年大阪市立大学大学院経済学研究科博士後期課程修了。博士(経済学)。現在、上海国際問題研究院経済比較研究所研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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