内容説明
なぜ女は化けて出るのか?女性、怪異から「他者」の構造を透視し、女幽霊の正体を読み解く。
目次
第1部 「成仏」できない女たち(王朝物語における怪異―六条御息所を中心に;負の継承としての怪異―坂東眞砂子『狗神』と京極夏彦『姑獲鳥』における憑き物筋;恋する幽霊の系譜学―「志怪小説」から『怪談牡丹灯篭』まで)
第2部 日常性への懐疑(幽霊は語りはじめる―「ことば」から見た三遊亭円朝の怪談噺;蘭郁二郎と人造美少女たち;悪意と聖性―坂口安吾『夜長姫と耳男』;抑圧される「私」―円地文子『女坂』・『女面』)
第3部 母性と怪異(トニ・モリスン『ビラヴィド』における幽霊)
著者等紹介
鈴木紀子[スズキノリコ]
1940年生まれ。名古屋大学大学院修士課程修了。京都橘大学名誉教授。平安朝文学専攻
林久美子[ハヤシクミコ]
1958年生まれ。大阪市立大学大学院後期博士課程修了。京都橘大学教授。日本近世文学専攻
野村幸一郎[ノムラコウイチロウ]
1964年生まれ。立命館大学大学院博士後期課程修了。博士(文学)。京都橘大学助教授。日本近代文学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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∃.狂茶党
11
怪異学というよりも、文芸評論、批評の類で、文化人類学、民俗学、歴史、言語学、心理学などと言った、幅広い視点から多角的に怪異に当たる本ではない。 感想は、取り上げた作品のネタバレにもなりそうで、あまり書けないのですが、『ビラヴィド』の因業な世界は強く惹かれる。 蟻地獄のような状況では、足掻くほどに深みに陥る。 怪異よりも女にスポットがあったってます。 男の視線からも、女の視点からも。 怪異の女学。2023/01/05
あい
1
「わたしが、おまえはわたしのものと言う時は、わたしはおまえのものだと言っているんだよ。」2015/05/04
ekura
0
一つ一つの論文は得るものが多かったけど、「女の怪異」学って感じじゃなくて「怪異の中の女」学ってかんじだったなぁ。2009/10/27
rui_hua_
0
んー帯にあるほど詳細な分析もなく?なぜ〈他者〉としての女が怪異を持つかということへの面白い回答はない2023/11/01
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