内容説明
「21世紀はケアの時代である」と言われる。本書は様々な分野の専門家が、ケアする行為をテーマに一堂に会してまとめた学際的な論文集でありケアの倫理を手がかりにして、現代の動向を眺望し今後のケアが変える社会を展望した見取り図である。
目次
第1部 ケアリングの実際(学校教育におけるケアリング;道徳教育におけるケアリング;保育におけるケアリング ほか)
第2部 ケアリング論の形成(メイヤロフとハルトのケアリング論;デューイのケアリング論;ノディングズのケアリング論)
第3部 ケアリング論の展開(正義対ケア論争;「想い」から始まるケアの営み―認識論から倫理学への橋渡し;学習活動へのアプローチ ほか)
著者等紹介
中野啓明[ナカノヒロアキ]
2002年新潟大学大学院現代社会文化研究科博士後期課程修了。博士(学術)。新潟青陵大学教授
伊藤博美[イトウヒロミ]
2002年名古屋大学大学院教育学研究科博士課程後期課程満期退学。修士(教育学)。名古屋経済大学講師
立山善康[タテヤマヨシヤス]
1986年同志社大学大学院文学研究科博士課程後期満期退学。文学修士。徳島文理大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆう。
33
ケアは、ケアされる側のlifeが充実する行為であることと同時に、ケアする側にとってもlifeが充実する相互行為の営みです。ケアリングの研究的到達点を学ぶことができました。個人的には、現在のケア論は支援する側される側が個人である場合が多いですが、集団でのケアの相互行為を考察する必要性を感じたことと、ケアが環境や社会に対してどのような働きかけがあるのかを考察する必要性を感じました。ケアリング理論がデューイ理論に基づいていることも知り、個人に目がいく理由もわかりましたが、もっと深める必要があると思います。2017/12/29