内容説明
金融の脆弱性および不安定性に関するミンスキー理論を展開した書。本書では、単にミンスキーの考えを述べるだけでなく、彼の考えを拡大しさらに挑戦的に分析する。編者らは各執筆者とともに、ニュー・ケインジアンとポスト・ケインジアン等の間の関係についてより深く考察するため、ミンスキー理論にカレツキ等の考えを組み入れ分析してきた。本書は、今までのこのような議論をまとめたものである。
目次
第1章 金融不安定性の分析
第2章 金融の脆弱性:病因は手近にあるか?
第3章 情報の非対称性、不確実性および金融構造―「ニュー」・ケインジアンと「ポスト」・ケインジアンのミクロ的基礎付け
第4章 国際金融システムにおけるミンスキー的不安定性
第5章 金融脆弱性と大恐慌:1920年代における信用拡張についての新しい実証
第6章 貯蓄、資金調達および利子率―基本的なケインズ命題に関する実証研究
第7章 金融不安定性の費用と便益―大きな政府の資本主義とミンスキーの逆説
著者等紹介
藤井宏史[フジイヒロシ]
香川大学経済学部教授。1954年岡山県生まれ。神戸大学大学院経済学研究科博士前期課程修了。香川大学経済学部専任講師、助教授を経て現在に至る。経済学修士
高屋定美[タカヤサダヨシ]
関西大学商学部教授。1963年京都市生まれ。神戸大学大学院経済学研究科後期課程単位取得退学。近畿大学商経学部専任講師、助教授、教授を経て現在に至る。博士(経済学)
植田宏文[ウエダヒロフミ]
同志社大学商学部教授。1965年福岡県生まれ。神戸大学大学院経済学研究科博士後期課程修了。同志社大学商学部専任講師、助教授を経て現在に至る。博士(経済学)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。