内容説明
近代史における最も深遠な思想家の一人であるジャン=ジャック・ルソーはヨーロッパ啓蒙主義の中心人物であり、あらゆる形の専制に対する軽蔑と盲目的信仰の鉄鎖から解放された人間性についての楽観的評価とを併せ持っていた。しかし、彼は学芸の前進が我々の美徳よりも寧ろ悪徳を生み出すと主張する点で十八世紀における啓蒙主義の最も手強い批判者であることが明らかになった。すなわち彼は、個人主義者や急進的革命家たちの熱狂を駆り立てる方向で文明の政治的・経済的・神学的・性的飾りものを非難したからである。
目次
1 ジュネーヴ市民の生涯と時代
2 文化・音楽・道徳の退廃
3 人間性と市民社会
4 自由・美徳・市民であること
5 宗教・教育・セクシャリティ
6 放浪者の夢想
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- 和書
- 自分の思いを書く