内容説明
本書は、著者が1998年7月に大阪大学より文学博士の学位を授与された論文とほぼ同じものである。博士論文では『カント美学の示すもの』とあったタイトルを、本書では『美と崇高の彼方へ』と改めた。第一部「享楽の美学」はブプナーの論文に則りながらも、基本的には『判断力批判』に対する著者の解釈を示すものとなっている。第二部「美と崇高の弁証法」は、主にフロイトに依拠しながら美と芸術の根源へと迫ろうとするものである。本書のタイトルもそのような願いが込められてのものである。
目次
第1部 享楽の美学(美と感情;構想力と悟性;美の普遍性;『判断力批判』の体系性;享楽の美学としてのカント美学)
第2部 美と崇高の弁証法(イデアールなもの;エロス的なもの)