内容説明
次々に起こる子どもの問題に対症療法でしか対処してこなかった大人社会の怠慢が、子どもの育ちのエネルギーを奪い、子どもの育ちをますます悪化させた。今後は子どもに温かいまなざしを向け、子どもの側にたって諸環境を整える方向に転じ、問題の根本的解決を真剣に目指すべきである。「子ども」理解のうえでこそ子どもの側にたった対策が可能である。筆者は子どもが生来的にもつ、育ちを導く諸欲求に注目し、それをいかに満たすかを子どもの福祉の根幹と考えている。この諸欲求の充足は換言すれば子どもの諸権利を保障することでもあり、子どもの権利条約のキーワードである「子どもの最善の利益」の保障にもつながる。本書では以上のことを根本に据え、子どもの福祉を論じていく。
目次
第１章 本書のタイトル
第２章 「子ども」の理解
第３章 「子どもの福祉」とは
第４章 子どもの人権と現状
第５章 子どもの福祉と家庭
第６章 子どもの福祉と学校
第７章 子どもの保健の現状
第８章 政策・制度としての子どもの福祉と保健
第９章 社会福祉援助技術
第１０章 これからの子どもの福祉に大事な視点
