内容説明
本書は、アメリカ合衆国政府はなぜペリー艦隊を日本に派遣したのか、またペリー艦隊がなぜ日本に遠征したのかという問題と、ペリー艦隊の来航に際してなぜ徳川幕府の老中首座・阿部正弘を首班とする政権は、アメリカ合衆国側の要求を拒否することができずに日米和親条約を締結したのか、という問題についての研究の現段階を踏まえ、現在の研究水準を越えた新しい研究成果を、世に示そうとするものである。
目次
第1章 アメリカ側の問題は、どのようなものであったか(この問題についての著者の従来からの見解の概要;ジャーナリズムの対日認識はどのような動向を示したか)
第2章 日本側の問題は、どのようなものであったのか(この問題についての著者の従来からの見解の概要;異国船打払令復活をめぐる評議に老中首座・阿部正弘の政権内部のどのような対外認識構造の相違と対立がみられたか;ペリー来航によって日本はどのように窮乏化したか)