出版社内容情報
ほかのところでも書きましたが、絵本を読んであげるだけでなく、毎日のトイレタイムに、まずはお母さんが「おしっこ」「うんち」などのサインをして、赤ちゃんに見せてあげることが大切。恥ずかしがらないで、やってあげてくださいね。
さて、ベビーサインを教えるコツについて、各巻の紹介のところで書いてきましたが、ここではベビーサインを教える時期や注意点などについて、もう少し詳しく説明します。
ベビーサインは「バイバイができるようになったら始めましょう」と、最初のところに書きましたが、それより前から始めてもまったくかまいません。そうすれば、それだけ早く、赤ちゃんを〈言葉のお風呂〉に入れてあげることができるからです(3巻の「もっと詳しく」を参照)。
けれども、赤ちゃんが小さければ小さいほど、教え始めてから赤ちゃんが自分でベビーサインをするようになるまでの期間が長くなります。赤ちゃんが、まだベビーサインをつかえるほどには成長していないからです。でも、そうとわかっていても、いくら教えてもベビーサインをしてくれないとなれば、教えるほうはイヤになってしまいますよね。だから、「私はしんぼう強く教えることができる」と思えば早くから教えょう。あせって無理やり教えようとしたり、できないからといって叱ったりしたら、せっかくのベビーサインがだいなし。いいえ、それどころか、むしろマイナスになってしまいます。
忘れないでください。
ベビーサインが赤ちゃんの発達を促すのは、コミュニケーションの楽しさを赤ちゃんが体験できるから。
ベビーサインを教えようとすると赤ちゃんへの語りかけが多くなり、そのことによって赤ちゃんの言語習得能力が鍛えられるから。
ベビーサインが赤ちゃんのコミュニケーション能力を高めるのは、ベビーサインが赤ちゃんとお母さんのストレスを軽減し、なおかつ赤ちゃんとお母さんの絆を深めてくれるから。
ベビーサインが真価を発揮するために必要な条件は、「お母さんと赤ちゃんがおたがいに目と目を見つめ合いながら、ベビーサインを使って楽しくおしゃべりすること」。ただそれだけです。
けれども、そのたった一つの条件を欠いてしまったら、ベビーサインは真価を発揮することができません。だからどうぞ、あなたの赤ちゃんをほかの赤ちゃんと比べたりしないで、ベビーサインを赤ちゃんと一緒に楽しんでください。
赤ちゃんのなかにある素晴らしい力を育てるためには、赤ち
赤ちゃんって、かわいいけれど本当にやっかいだ。一人ではなにもできないくせに、泣いたり・怒ったり・ぐずったり。お皿をひっくり返したかと思えば、所かまわずおもらしまでして。私も、「泣きたいのはこっちだよ」と何度思ったことか……。
ここで、私の子育て時代のエピソードをひとつ。
いまは念入りに化粧などして、「私はもう立派な大人です。かまわないで!」という顔して歩いている娘が2歳だったときのこと。
その夜、私は娘を寝かしつけるために『みんなうんち』という絵本を読み聞かせた。「おおきなぞうは おおきなうんち ちいさいねずみは ちいさいうんち」ではじまる、五味太郎さんの絵本だ(福音館)。
で、寝ついた娘を残して家事をすませ、やれやれと思って私も眠りについてしばらくしたら、なぜか目が覚めた。……なんだろう? ぼんやりした頭でしばらく考えた。
と、突然、気がついた。部屋が臭いのだ。しかも、ものすごく……。なに? なに? なんの臭い? くさいよ~~!
とうてい寝ていられなくて、むっくりと起きあがりましたね、私は。
そして思ったこと。──これはあれだ。あれの臭いだ!
私は、隣ですやすやと眠っている娘のおしめをそーっと