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出版社内容情報
台湾の鉱山での3年にも及ぶ苛酷無惨な強制労働に、次々と仲間が死んでいく。「原爆は自分を救った」という彼に、どう答えるのか。
内容説明
日本兵たちの暴力支配のもと言語に絶する苛酷な強制労働、そして飢え。次々と仲間が死んでいく。米軍が上陸してくればみな殺しにされる計画も察知され、必死の対抗策がひそかに練られる。元捕虜の深い怒りと怨念の声を私たちはどう受けとめ、どう答えるか。
目次
第1章 不運の前兆、割り当てられた十三番
第2章 自転車に乗った小男たち
第3章 シンガポール要塞
第4章 母国建造の船に乗せられて台湾へ
第5章 キンカセキ収容所到着
第6章 地獄の銅山キンカセキ
第7章 握り飯作戦、生産増強のための方策
第8章 士官たちの労役班
第9章 ハンマーと酷熱の洞窟、新しい制裁方法
第10章 自分の体は自分で面倒を見ろ
第11章 収容所長へのはなむけの歌
第12章 新手の幽霊トロッコ、サボリの方法
第13章 キンカセキ通信
第14章 死のジレンマ、捕虜みな殺し作戦
第15章 銅山閉鎖さる
第16章 ジャングル収容所
第17章 空襲に追いつめられる日本軍
第18章 米軍の救援物資に殺される
第19章 米海兵隊に運ばれて自由の世界へ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
井戸端アンジェリか
9
タイトルの清々しいほどのあっぱれ感が気に入って即手を出したわけですが、........笑ってる場合じゃなかった。アウシュビッツかと思った。ん゛───、原爆投下の件、加害者か被害者か、頭を掻きむしりながらも色々と反論したい事はあります。でも、キンカセキで命を亡くした方や今でも心身に傷を抱えている方へは謝りたいと思います。ごめんね、ライム野郎。2015/09/19
Job
1
捕虜になった英軍将兵が如何に酷使され、虐待されたか、それをどのようにして耐え抜いたかを記した物語。 収容所の描写はシベリア抑留やアーロン収容所にも劣らぬ酷いもので、 著者が「原爆投下は正しかった、おかげで生き残れた」と語るのも分かる内容。 また、「指示があれば、もしくは条件を満たせば捕虜を皆殺しにせよ、その際は痕跡を残すな」と記載された1944年8月1日の台湾収容所本部日誌の写真は衝撃的でした。 先人の(一部と思いたい)残酷非道ぶりに目を覆いたくなりますが、日本軍の負の部分を知る事ができる書籍です。2014/05/30
hatagi59
1
戦争には、色々な面がある。日本も被害者であり、加害者でもある。どちらになるかは、運命のみぞ知る、といったところか。2011/05/27
結城雄貴
0
小林よしのりにハマっていた子供の頃に読んで、自分の価値観がいろいろ転向したのを覚えています。いま読んでも、当事者故の生々しい筆致に圧倒されます。特に終戦後、B-29から投下された食料コンテナが、収容所を直撃して被害が出た場面などは、今まで喉から手が出るほど欲しかった食料に潰されるなんてあんまりだ、という筆者の感情が伝わってきて強く心を揺さぶられました。終戦記念日にもう一度読みたいです。
荏苒 byn
0
92年刊。刺激的な反日アイコン的タイトル、原題はこの野郎程度。原文にJAPとあるのかな?。パラっと見ただけだけど、坊主憎けりゃが、染みついてる。台湾の過酷な日々が終了できて、原爆は「正しい」みたいな脊髄反射。アメリカのプロパガンダと同列。民間人・婦女爆撃は、国際法違反。駆逐艦雷で感謝する軍人も居るが、別な軍人も。日本は補償してない等も。 最後の解説文?(著者ではない)、慰安婦の真相が分かってない時代みたい。こういう戦争のデテイルは全て苛烈なわけだが、誰が戦争を欲して誰が策動したかの大局を知るのも重要。2018/10/07
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