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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
twinsun
6
オーストリア・ハンガリー帝国のルーマニア軍人が所属国家と民族の母国の間、現実と理想、恋のはざまで揺れ動く。アポストル・ボロガとイロナの物語。彼らキリスト教徒は神の国に納得して召されれば、地上に残る家族のことはどうでもよく、まわりもそれでよいと思っているよ。ゴッドヘルフの黒い蜘蛛でも、悪魔に魅入られた赤子が牧師の命をかけた祈りにより死亡はするが、母・牧師同様神に召される場面がある。シャーパーの罪なき死も同様である。われわれとは背景が異なる。2017/11/12
えそら
3
第一次世界大戦中のオーストリア=ハンガリー帝国軍のルーマニア人将校が主人公の小説でしかもタイトルが「処刑の森」で、決して楽しいお話が読めるとは思ってはいませんでしたが、それでも非情なラストでした。著者のレブリャーヌ自身がオーストリア=ハンガリー帝国軍に勤務経験があるルーマニア人で、また実弟が同軍で処刑されていることもあるせいか、行きつ戻りつする主人公の心理が微細に描写され血肉の通う作品だと感じました。2017/09/16