内容説明
オロチョン族として生きた日本人岩間典夫の数奇な運命。満蒙開拓青少年義勇軍・最後の帰還者。戦時下の中国・満州に渡った十四歳の少年は、幾多の困苦をくぐりぬけ、五十三年の後、オロチョン族の妻と家族をともない、初老の男となって故国に永住帰国した。激動の時代に、ふたつの国に生きた男の波乱に満ちた愛と感動のドキュメンタリー。
目次
なみだ―望郷の思い切なく
満州―十六歳の夏「裏切られた」
開拓団と義勇軍―現地農民の犠牲の上に
軍隊組織―訓練所はアンペラ小屋
反乱―「虫ケラ」扱いへの怒り
日ソの前線―主力は去り玉砕要員に
シベリア抑留―生きてこれたのが不思議
八路軍―民衆から奪わず
襲撃―オロチョン族の一員に
オロチョン族―興安嶺に生きる騎馬の民〔ほか〕