内容説明
「ゾルゲ事件」とは、いったい、いかなる事件だったのか…。現代史の「闇の部分」に光を当て、歴史の教訓を鋭く問う。太平洋戦争開戦前夜、日本官憲により、赤色スパイ容疑で大量35人が摘発され、その首謀者と目されたR・ゾルゲと尾崎秀実は極秘裁判で死刑を宣告された。事件は、戦時中のみならず、戦後も東西の冷戦構造のなかで反共政策に利用されたため、末だに真相の完全解明は成っていない。「反戦・平和」実例のため、必死の情報工作に身を挺して殉じた二人の処刑から、五十年。いま、過去の経緯を総括的に再検証し、新発掘の資料や証言を駆使して、事件の謎の徹底共明に挑む。
目次
第1章 伊藤律の遺稿
第2章 諜報員の終着駅
宮城与徳、生と死
第4章 検証・ゾルゲ情報
第5章 暗黒裁判、その実態
第6章 「赤狩り」の犠性者
第7章 名誉回復への道