内容説明
ピレネー山脈の向こうへ、バルカン半島の諸国へ、ヨーロッパとアジアの狭間のイスタンブールへ。文化は田舎にこそ色濃く残ると主張する著者が、ヨーロッパの周縁部をめぐり、キリスト教の照射をあびて生きる素朴な人びとの生活と風物、それぞれの土地の文化と風土を訪ねたユニークな紀行集。パリでもローマでもロンドンでもない、もうひとつのヨーロッパ。
目次
生から死へのきざはし―遍歴のエロス・タナトス
カマルグの黒い聖女―ジプシーを誘う海の聖マリー教会 フランス
虐殺の島ヒオスへ―ドラクロワの謎を求めて ギリシア
奇蹟の泉いまなお―八月十五日のルルド フランス
死の町に流れる風の挽歌―中世都市ミストラス興亡史 ギリシア
アンダルシア・冬の幻想―ロシオ聖母教会の“夏” スペイン〔ほか〕
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