内容説明
さまざまな人生遍歴の末、独自の文学世界を創造したラフカディオ・ハーン―。本書は、徹底した作品解釈により、ハーンの業績を芸術・批評・哲学という三つの側面から考察。新たな評価を試みた画期的な論考。
目次
1 芸術(第一段階にすぎないもの―芸術としての翻訳;わが年来の夢―文体の実験;多彩な幽霊たち―再話文学について;生まれ出でし物語と、生まれざる物語―小説におけるハーンの野心;文学上のコロンブスになること―ハーン文学の異国趣味)
2 批評(真理追究のための努力―批評家修行時代;文学研究―日本での講義録;有機的記憶の美学―情緒表現の芸術としての文学;世界文学へ向けて―人間性の文学のために)
3 哲学(日本のすべてを―ハーンの日本論;永遠の女性―西欧の情熱主義を超えて;来たるべき人種―西欧の個人主義を超えて;完全な球体―世界の総合;生命の樹―人間の総合)
補遺 寸描―ハーンの人生と作品