内容説明
石川啄木よりひと世代あとの大正の半ば、東京の本所で職工歌人となって、前人未到の歌境を拓き、惜しまれながらわずか二十三歳で夭折した、『アララギ』の歌人松倉米吉。貧しさとたたかいつつ炎のように燃えつきた生涯は、感動と涙をさそわずにはいられない。歌ひとすじ―。ひたむきに生きる米吉像を克明に描き切った異色の評伝。
目次
序章 糸魚川にて
第1章 一の宮けんか祭り
第2章 かね田屋
第3章 下の大瀬
第4章 義父
第5章 行路詩社
第6章 初恋
第7章 家出
第8章 母
第9章 登美子
第10章 絶唱
終章 浅草西光寺にて
松倉米吉年譜
松倉家系譜