内容説明
建築現場で発見された男の死体…その身許はすぐに判明した。所田良介、48歳、食品会社課長。現場近くに自宅があり、妻と娘の三人家族だった。捜査線上に浮かんだのは、ある奇妙な事実。彼はネット上に“もうひとつの家族”を持っていた。―現実と“仮想現実”の世界が交錯する新感覚ミステリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
shimpei
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インターネットが普及し出した頃の作品として、新しいものへの関心やその特異性を小説として伝えようという著者の試みが面白い。 オンライン上での架空の家族、という設定でありその家族の一員が殺され事件に発展する。実の家族との関係がうまく行っていないがゆえにネット上での理想の家族を求めた男が、それがあだとなり殺されるのだが、犯人はまさかの・・・。犯人に同情の余地があり、逆に現実世界での人間関係を疎かにしていたこの男はどちらかというと悪者のようである。サスペンスミステリーの秀作。2011/07/12
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