内容説明
メチル水銀は魚食由来の有害化学物質であり、とくに胎児に対するリスクが最も大きいことから、消費者にとって、非常に関心の高い課題である。現在、毒性発現の分子機構およびPUFAやセレン化合物による毒性軽減効果について、飛躍的な研究の進展とデータの蓄積が実現されつつある。本書では、具体的な研究事例を報告しつつ、メチル水銀の健康リスクと魚食の機能性成分についての最新知見を紹介する。
目次
1 メチル水銀およびセレンの分布と蓄積(魚介類におけるメチル水銀、セレンおよび高度不飽和脂肪酸の含有量;鯨類における水銀とセレン;セレンによるメチル水銀の解毒機構)
2 動物モデルによるメチル水銀の生物影響評価(ゼブラフィッシュ胚モデル;胎児影響モデル;培養細胞系モデル ほか)
3 メチル水銀の健康影響(魚食のリスク・ベネフィット解析の試み;魚食頻度の高い集団での疫学調査研究;リスク評価:メチル水銀のリスク評価をめぐって)