出版社内容情報
和算成立の過程は謎に包まれている。本書は、和算のルーツがすべて中国の数学にあるとする通説に異議を唱えた故平山諦氏の考察を引き継ぎ、多くの貴重な文献を基礎に、また、和算成立当時の社会的、政治的背景の考察からその謎に迫る。
内容説明
本書は和算史を通して大航海時代が日本を中世から脱出させ、近世社会を創出し、さらに日本の近代を準備し明治への架け橋の土台となったことを明らかにすることを大きな目標とします。特に本書の特徴は和算の数学的側面をテクニカルに論じるのではなく、その背景にある政治経済および社会文化と関連づけて考えることです。
目次
第1章 独創の由来―村瀬義益と逐次近似法
第2章 奥州の仕置―二本松藩士磯村吉徳
第3章 “知は力なり”―井上政重の場合
第4章 謎の和算家 高原吉種
第5章 “算聖”関孝和―謎の生涯
第6章 改暦―武家未曾有の盛典
第7章 暦算家関孝和―小日向科学技術研究所
第8章 一生の奇会―白石・シドティ・賢弘
第9章 和算史の光と陰
著者等紹介
鈴木武雄[スズキタケオ]
1944年静岡県生まれ。現在、静岡県小笠郡小笠町立小笠北小学校長
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