内容説明
日本大学生物資源科学部で開催された平成13年度日本水産学会において「オゴノリの研究の現状と新資源としての展望」と題したシンポジウムを企画した。内容は、オゴノリ目藻類の生物学、有用藻類としての利用の現状と課題、新たな利用の可能性と課題で構成され、種の分類や生理、繁殖特性などの基礎的知見を総括するとともに、日本および海外におけるオゴノリ採取・増養殖の現状を紹介し、さらに生理活性物質など含有成分に注目した新たな医薬品や餌料としての利用への展望、栄養塩吸収能力に注目した環境浄化システムへの利用などを総合的に討議した。本書は、そこで講演された内容を基にとりまとめたものである。
目次
1 生物特性(分類と分布;生活史と生長特性;組織の再生機能)
2 利用の現状と課題(海外の採取・増養殖の現状;日本の採取・増養殖の現状)
3 新たな利用の可能性と課題(栄養塩吸収能を利用した水処理プロセス;プロスタグランジンの産生とその特性;オゴノリ由来のレクチンの特性;水産餌料としての可能性)