内容説明
本書はとくにつぎの諸点に努めている。第1に、読者が日常生活における「科学的な」探究を身近にし、複雑な現実世界を乗り切るための技術に裏打ちされた「芸」を養うとともに、「社会調査の哲学」をも知る生活者であることを願ったことである。第2に、社会調査が経験世界を認識するための技術的技法であると同時に、社会理論の発展と蓄積に資す社会科学の方法論でもあるという認識を基底に、社会調査と社会理論の統合の課題を、包括的に平易に、有用性に配慮しながら遂行しようと心がけたことである。そして、社会理論の構成に資す社会調査「過程」という観点から、連続したステップ間の整序を企図し全体構成の整合性に意を注いだ。第3に、経験的世界の理解と社会理論の構成に寄与する社会的データの統計的処理法の意味を強調したことである。
目次
序章 日常生活と社会調査
第1章 調査問題の決定過程
第2章 仮説構成の論理と実際
第3章 調査設計の選択
第4章 測定の論理と評価
第5章 尺度の作成
第6章 実験
第7章 サーベイ・リサーチ
第8章 フィールド・スタディ
第9章 標本の抽出と推定
第10章 データの整離とコーディング
第11章 データの分析―仮説の検定
第12章 データの分析―関係・予測・因果