感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
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「物語」とあるように、初等数学のおもしろさと歴史を、洋の東西を問わずにバラエティ豊かに集めている。テストのためでない、文化の基準としての数学を知ってほしいという著者の希望が、巻頭に書かれている。こんな広翰な本にまとめた例は、初版当時は珍しかっただろう。1956年初版。1981年の増補3刷で読む(今も新本で買える)。和算書の数学遊戯も、パズルの問題というより、歴史的解説を述べ、時代の文化に触れられるように紹介。なぜ昔のソロバンには5珠が2つもあったのか? 今なら不要で不可解だが、その必要だった理由にも納得。2023/06/25