出版社内容情報
谷村政次郎[タニムラセイジロウ]
著・文・その他
内容説明
帝国海軍最大の文化遺産といわれる名曲「軍艦マーチ」こと行進曲「軍艦」。誰もが知る曲ながら、明治の初演から敗戦を挟んで百二十年を越える航跡の中で数々の風説、誤解が生まれてきた。初演時の秘話、作曲者・作詞者の素顔、パチンコ店でかけた訳、戦後マスコミによる批判など通説の一つ一つを検証、真実を探る。
目次
第1章 国際舞台に登場した行進曲「軍艦」
第2章 行進曲「軍艦」の誕生
第3章 各地での「軍艦」演奏の話題
第4章 歴史的な「軍艦」演奏
第5章 海軍儀制曲、海上自衛隊儀礼曲、『海軍軍歌』
第6章 行進曲「軍艦」の変遷、現在そして未来
著者等紹介
谷村政次郎[タニムラマサジロウ]
昭和13年8月10日、東京都渋谷区生まれ。昭和32年、東京都立駒場高等学校卒業、海上自衛隊東京音楽隊入隊。昭和48年、海上自衛隊幹部候補生学校卒業、3等海尉任官。昭和52年、東京藝術大学音楽学部研修(1年)。平成3年、第11代東京音楽隊長。平成6年8月10日、2等海佐で退官。この間、練習艦隊、佐世保、横須賀音楽隊長を歴任。昭和33、36、42、45、50、56年度の練習艦隊遠洋練習航海、昭和44年の派米訓練、48年のグアム実習航海に参加。(受賞等)平成19年度、第18回日本管打・吹奏楽アカデミー賞(研究部門)。平成22年春、瑞宝双光章。令和元年度、文部科学大臣表彰(社会教育功労者)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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鐵太郎
14
「軍艦マーチ」という、時と人によっては太平洋戦争における軍国主義の権化のように嫌悪された楽曲に関する「エッセイ」と言えばいいかな。当初マスコミの誤解を正すという尖った言葉で始まったのですが、途中から内容がこの曲(と歌)やそれ以外のさまざまな(今ひとくくりに「軍歌」とされている)楽曲の歴史や著者の思いに変わっていっていますな。とりあえずさまざまなトリビアを楽しめばいいのかも。ちなみに、これを「世界三大行進曲」と讃えたことがあるけど、実際のところ海外では特殊な例をのぞきほとんど知られていないのだとか。ふうん?2023/01/26
かわくん
3
私が卒業した高校の校歌は軍艦マーチの旋律です。テンポや音階が多少違いますが、明治時代から歌い継がれてきたそうです。この本の中でも盛岡一高の校歌について触れています。著者は海上自衛邸東京音楽隊長を務めた方。いわばマーチの専門家。軍艦マーチについてはさまざまな謎があり、資料を読み込みながら解きほぐしていきます。謎解きは時に退屈なものとなり、読むのに時間がかかりました。「軍艦マーチのすべて」というCDを持っていますので、また聴いてみようと思います。2022/12/07