内容説明
国家のため台湾住民のため己の仕事を貫いたサムライたち!「蓬〓米」を開発した磯永吉。東洋一のダムを築いた八田與一。統治を進めた児玉源太郎、後藤新平…。明治のリーダーは私たちと何が違うのか。アジアに造詣の深い開発経済学者が放つ群像劇!
目次
第1章 「台湾農業の父」は磯永吉
第2章 蓬〓米が起こした「緑の革命」
第3章 台湾というフロンティアの夢
第4章 困難に屈しない技術者たち
第5章 なぜ嘉南大〓は成功したのか
第6章 理性と豪気の児玉・後藤政治
最終章 英米は台湾統治をどうみたか
著者等紹介
渡辺利夫[ワタナベトシオ]
拓殖大学顧問、元学長・総長。昭和14(1939)年、山梨県甲府市生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。同大学院経済学研究科修了。経済学博士。筑波大学教授、東京工業大学教授、拓殖大学教授を経て現職。専門は開発経済学・現代アジア経済論。(公財)オイスカ会長。日本李登輝友の会会長。平成23年、第27回正論大賞受賞。著書に『成長のアジア 停滞のアジア』(講談社学術文庫、吉野作造賞)、『開発経済学』(日本評論社、大平正芳記念賞)、『西太平洋の時代』(文藝春秋、アジア・太平洋賞大賞)、『神経症の時代 わが内なる森田正馬』(文春学藝ライブラリー、開高健賞正賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さきん
31
八田氏のダム開発が有名な台湾だが、加えて、蓬莱米という多収米の開発も台湾の食料事情向上に大きく貢献したようだ。今は、後継品種が中心になっているとは思うが、そこを知りたかった。八田氏の建設経緯が詳しい分、地図がないのが残念。蓬莱米はやがて、インドの農業開発にも貢献することになるみたい。児玉氏、後藤氏コンビの生物原理に則った台湾諸民族に対する、防疫、首長の自治を認める鎮撫策、阿片をあえて専売にし、流通をコントロールするなどの政策も興味深い。2022/03/24
Lesta01
2
致知で紹介されてたので読んでみた。 ・ その中で… 【「不抜の信念」八田與一 座右の銘】 ・ この信念があったからこそ、不毛の大地を台湾最大の緑地に変えたのだろう。 不可能と言われた在来種と日本種の交配に成功し、100余種の「蓬莱米」を育成した磯永吉も、その開発に20年の歳月をかけたとか…。 こんな明治の日本人には到底及ばないが、自らの信念を貫く生き方をしていこうではないか。2022/01/30
熱東風(あちこち)
2
大変良かった。/台湾での業績について児玉や後藤、新渡戸のことは知っていたが、八田與一のことは殆ど無知だったので本書を手に取った。その他、磯永吉・末永仁など、知らなかった人物も知れたことは有益だった。/あと、驚いたのが最終章。英米が日本による台湾統治をあそこまで高く評価していたとは。/ただ、時系列があっち行ったりこっち行ったりするので、やや読みづらい。最初に児玉・後藤の事績を語ってから、八田達の業績を述べた方が分かりやすいと、個人的には思う。/とまれ、日本人は一読の価値あり。2022/01/12
-
- 洋書
- Caught