内容説明
二〇二〇年六月末、突如として北京当局は内モンゴル自治区でモンゴル語教育を廃止する政策を制定し、その年の秋から実施する、と発表した。内モンゴル自治区だけでなく、モンゴル国等、全世界各地に住むモンゴル人たちが抗議活動を展開し、冬まで続いた。…中国政府はすでに何年も前からそうした謀略を用意していたのである。
目次
第1部 文化大革命前史としての反右派闘争と社会主義教育運動(反右派闘争という中国現代史;内モンゴル師範学院の反右派闘争;社会主義教育運動と「反民族分裂主義運動」)
第2部 未完の民族自決と民族問題の表出(北京の謀略とオルドス高原の烽火;共産党が醸成する反「分裂主義」の世論;延安派を襲う「青い都」の赤い嵐)
第3部 対日協力の清算(「二つの顔を持つ連中」(双面料)
「日本刀を吊るした偽満洲国の奴ら」
モンゴル人の祖国はどこ?
内モンゴルの中国文化大革命の現代史的意義)
著者等紹介
楊海英[ヨウカイエイ]
1964年、南モンゴルのオルドス高原生まれ。モンゴル名オーノス・チョクトの日本語訳は大野旭。国立静岡大学人文社会科学部教授。専攻は文化人類学。博士(文学)。2018年、第19回正論新風賞受賞。主な著書に『墓標なき草原―内モンゴルにおける文化大革命・虐殺の記録(上・下)』(岩波書店、2009年、第十四回司馬遼太郎賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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