内容説明
病に陥った大正天皇を支え、宮中の伝統を守ることに心を砕いた「国母」貞明皇后の数奇な運命。『貞明皇后実録』の草稿や編纂資料など、宮内庁が所蔵していた多くの未公刊資料の開示を得て、明治、大正、昭和の3代にわたる激動の時代を生きた「孤高の国母」に新たな光を当てる大河ノンフィクション。
目次
第1章 九条の黒姫
第2章 運命の歯車
第3章 試練の日々
第4章 揺れる想い
第5章 皇后への道
第6章 即位と政変
第7章 天皇発病
第8章 皇后の涙
第9章 天皇崩御
第10章 母子対立
第11章 軍靴の響き
第12章 夜明け前
著者等紹介
川瀬弘至[カワセヒロユキ]
産経新聞論説委員。昭和43(1968)年、神奈川県生まれ。平成6(1994)年、産経新聞社入社。主に社会部に所属、文部科学省担当として歴史教科書問題などを取材する。19~25年、産経新聞社発行の月刊誌『正論』編集部(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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レイラ
1
不敬ながら、かっこいい。2023/08/04
かっくん
0
五摂家の一つ九条家の娘として生まれ、幼少時代は農家で育てられた節子女王。成長した彼女は時の皇太子嘉仁親王(大正天皇)の妃となる。自由な境遇で育った節子女王は旧式な宮中のしきたりや奔放な皇太子の言動に悩まされる日々を過ごす。大正天皇が即位後は病気がちな天皇を支え、宮中で重きをなしていく。天皇崩御後の昭和時代には、皇室の伝統を守るために奮闘する。明治、昭和という時代と比較して多少影の薄い大正時代だが、その時代の中心にいたて貞明皇后の生涯を丁寧に描き出した評伝。2023/02/19